Diagnosis of carpal tunnel syndrome using a 10-s grip-and-release test with video and machine learning analysis

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【ポイント】

  • 手根管症候群では手指の使いにくさの訴えが多いが、その機序は十分に解明されていない。手指のマーカーレスモーションキャプチャー技術と機械学習を組み合わせることで、手指の運動変化に基づいた手根管症候群のスクリーニングモデルの開発を目指した。
  • 手指の運動変化は手根管症候群で障害される母指側の手指のみでなく、環指・小指でも認められた。また、手指の運動変化と電気生理学的重症度に相関を認め、自覚症状のない初期から手指の運動変化を検知できる可能性が示唆された。
  • 本手法で必要なのは、スマートフォン1台のみであり、手技が簡便なため、誰でもいつでもどこでも手根管症候群のスクリーニングが可能であり、早期診断・治療につながりうる。

【背景】

手根管症候群では手指の使いにくさを認めるが、その機序は十分に解明されていない。我々は過去に手根管症候群では軽症例でも、指の動きに変化が出現していることを報告しており、これを踏まえて、手根管症候群の罹患に伴う手指の動きに着目した。

【概要】

内容:手指のマーカーレスモーションキャプチャー技術と機械学習を用いて、手根管症候群のスクリーニングの開発を目指した。 方法:Googleが提供する画像処理モデルであるMediaPipe Handsを使用して、スマートフォンで撮影した手指の離握手運動の動画の手指の姿勢推定を行い、データ処理後、機械学習を用いて、手根管症候群のスクリーニングモデルと重症度推定モデルを作成し、精度を検証した。 結果:高い感度・特異度で手根管症候群のスクリーニングが可能であった。小指の運動変化に着目したモデルで最も高い精度が得られた。本研究で検知した手指の運動変化は電気生理学重症度とも相関が認めた。

【今後の展望】

他の趣旨の運動変化をもたらす疾患でのモデルの開発を行うことで、様々な疾患のスクリーニングや鑑別が期待できる。 スマートフォンアプリを開発することで、日常生活内でのスクリーニングの応用を目指す。

【論文情報】

掲載誌:THE JOURNAL OF HAND SURGERY European Volume

論文タイトル:Diagnosis of carpal tunnel syndrome using a 10-s grip-and-release test with video and machine learning analysis

DOI:10.1177/17531934231214661

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